あらためて。。。

SIFが「こんな団ならいいなぁ」と思うことのひとつに、スイス・ローザンヌ地方での私自身の経験があります。

時折書くのですが。またちょっと書いてみたいなと思います。

「音楽は言葉を越える」とか、「音楽は国境を越える」とかいう崇高なお話しではないので、念のため(笑)。

どちらかというと「友達のいない合唱おばか」のさみしい旅行記(抜粋)です♪

しかも長いデス。結論は最後の段落にありますので、途中スキップも可!

自分の師匠だけを頼りに入団したハンガリーの市民合唱団と一緒に、演奏旅行に行った時のことです。

「一人だとカワイソウだから」と中国人の留学生にも声をかけてくださって、普段の練習は二人で行っていましたが、遠征にはビザの関係で友人は行けず。。。

入団してまだ1ヶ月くらい、練習にもまだ数回して参加しておらず、しかもほとんどの人が英語を話さず、私もハンガリー語がほとんどできず、意思の疎通さえ困難。

そんな状態で、その人たちと数日間旅をする訳。

ハンガリー人は結構シャイで、私はもっとシャイ&小心者で、とにかくお互いによそよそしい…というか警戒心たっぷり(苦笑)。

往復は貸し切りバスで、先生が時々相手をしてくださいましたが。

バスが休憩で停まると、休憩時間をどう過ごしていいか、かなり難しかった~。

そういえばこんな経験も。。。

途中の休憩所で、皆についてカフェに入ってみたものの。

同席になった人たちが仲良しチームだったらしく、さらにハンガリー語の会話で仲間に入れず、席は一緒ながら一人でコーヒーをすすることに。

カウンター席だったのですが。

席を立つときに、誰かが皆にごちそうしてあげてました。

もちろん、私は自分で払います。

で、会計をしようとしたら。

近くの席に座っていたまったく知らないおじさん(合唱団の人ではない)が、なぜか私の分を払ってくれました。

よっぽど不憫に思ったのですかね(笑)。

きっとオーストリア人だろうと、ダンケシェーンと言うのが精いっぱい。

びっくりしつつ、ちょっと救われた気分に(苦笑)。

一泊目の宿はオーストリアのユースホステル。

言葉の通じない団員さんたちとご一緒。

英語のできる子が一人いて、少し救われました。

一応、ちょっと打ち解けた感じ。

二泊目以降は、スイス。

ここから、私のさみしい気持ちは変化しはじめます。

オケ指揮者(スイス在住ハンガリー人)の方が、「英語しかできない日本人がくる」と聞いていたらしく、彼のお嬢さん(同世代&英語ペラペラ)の家にホームステイするように手配してくださっていました。

スイス・ローザンヌ地方の合唱団の方との合同演奏会が遠征の目的だったのですが、オケ指揮者の先生、奥さま、そしてお嬢さんに本当によくしていただき、そして合唱団員さんも、「フランス語ができない?じゃ、ドイツ語?イタリア語?」といろんな言葉で私と会話を試みてくれました。

合同演奏は複数の教会でのコンサート。

ある教会、石造りの建物内で、出番を待つ間、私が立っていると、スイスの合唱団の白髪のご婦人が、私をよび、自分の隣に座るように身振り手振りで言ってくれます。しかも、座るところが石造りで冷たいので、ご婦人は自分の楽譜をそこに置き、その上に座るようにと。

あれが、あの遠征最大の感動でした(演奏もすごくいい経験だったんですが。それとこれとは別)。

あの時の心が温かくなる気持ち、どう表現していいかわかりません。

もちろんあの場では合唱を一緒にする仲間ではありましたが、それ以上に、人として自分が向き合ってもらえたようで嬉しかった。

言葉というツールが大事なんじゃなくて、人として相手を思いやる気持ちが大事だし、ありがたいのだと。

(今思い出してもちょっとホロりときます…。)

SIFを始めようと思った時。

外国籍の方も含め、たくさんの人と合唱をしたい、という想いももちろんありましたし、他にもいろんな理由がありました。

その中のひとつに、身振り手振りで席を勧めてくれたあのご婦人のような、そんな気持ちをもった合唱団にしたい、ということがあるんです。

私自身、つい、普段の居心地のいい活動や生活の中で見失いそうになりますが。。。(汗)。

「合唱」は皆で一緒に楽しめる音楽です。

同時に「合唱団」は仲間同士お互いを思いやり、楽しさや喜び、感動を共有し、困った時には助け合う、小さな社会と言いますか、コミュニティでもありますよね。

言葉も文化も生活習慣も違う国で、時に孤独と向き合う人にも、合唱という共通の音楽を通じて、人と人とのつながりを持てて、それが実感できる場、開かれたコミュニティとしてSIFがあったらいいなぁ。

共通の言語がなくたって、気持ちがあれば、必ず伝わります。

合唱が、誰に対しても分け隔てなく、喜びに満ちたものになるように、私自身がSIFと共にできることは何なのかを改めて考える毎日です。

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