突き動かすもの
元来煩悩にまみれた人間で(笑)、物事が達観できず、思い悩むことも多々あるのですが。
そんな心の迷いを救い出してくれるきっかけは、何気ない日常の、さりげないところにあったりします。
要は、それに気づけるか、でして。
自分の心の在り方次第なんだな、と思います。
音楽を語れるほど音楽に精通している実感はないですが。
でも、音楽を通じて心が大きく震えるので、私はその震えに忠実に、突き動かされるように、音楽にまた向かっていきます。
音楽ってなんでしょうね。
不思議。
私にとっては。
ただ、心を癒すとか、楽しむとか、そういう次元の存在じゃないのですよね。
沢山の困難を与えると同時に、それを越えるパワーも与えてくれる。
人や物事を深く愛することを教えて、失う辛さも教えてくれる。
見栄なんかに取り付かれると、心のアンテナはあっという間に錆びついて。
何も感じられなくなって。
音楽の魂みたいなものと、共鳴することができなくなる。
ただの声が、ただの音が。
人の心を震わせるほどの、命を宿していくのって、すごいと思う。
声が、音が、重なって、豊かな彩で、私たちの心に、目では見えないものを見せていく。
喜びを湧き上がらせ、悲しみを和らげ、過去を慈しみ、夢を抱かせてくれる。
すごいなぁ。
なんだかうまく言えませんが。
とにかく、すごい。
小さな曲たちと向き合うことが多いのですが。
華々しい大きな曲に負けず劣らず、一つ一つに魂があるのです。
むしろ、それらは、私たちの日々、日常、いたるところで、身近にいて。
私たちの持つ感性を大いに刺激して、喜びを大きく、苦しみを和らげ、悲しみを癒してくれるのですね。
歌は、魂を言葉と声に乗せて、人の魂に届けるものなんじゃないか、と思うのですが。
合唱はそれを更にハーモニーという強力なうねりにグレードアップさせて、人を包み込んでいくように思います。
合唱に携わって四半世紀以上になりますが。
今でも、その魅力と魔力の根源をつかみきれず。伝えきれず。
熱烈な片想いのように、大きな苦しみと大きな喜びを味わう毎日です(笑)。
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