旅と乗合バス
大学院に入ってから旅をする機会が増え、とりわけ今年は遠方が多くてなかなかに刺激的な日々を送っております。
11月も長崎、京都・名古屋、北関東(笑)、など、週末はどこかしらに出かけていました。
このような旅三昧の日々も年内はこれでひと段落(多分)。
あとは旅の成果をまとめつつ、音楽活動に一層精進していきたいと考えています。
音楽家は旅をせよ、といったのはモーツアルトでしたか?
研究者も旅が欠かせないのだなと最近は思います。
自分の足を使い、目と耳でとらえて、全身で受け止めること。
そういう経験を重ねられる環境にいることに心から感謝しています。
もう一つ、旅によって自分が変われたと思うことがあって。
それは、生きることそのものも旅のようなものだなと思えるようになったこと。
出会いと別れが混然となって存在しています。
はじまりがあれば終わりがあります。
最近は自分が乗合バスの運転手のような気分になったりもします。
音楽という行き先に向かうバスにのって、「乗りますか?」「乗ります!」なんてやりとりをして、あるところで乗ってきた人が目的地に着いたら降りていく。
それぞれの目指すところがあるのが当然で、それが乗りあった人同士、まったく同じとは限りません。
降りる人がいれば乗ってくる人もいて、一緒にまた楽しみます。
たくさん出会ってたくさん見送ってきました。
これからもきっとたくさん出会ってたくさん見送るのでしょうね。
音楽は形がないものを追い求める世界です。
見えないものをみんなで追いかけて、記憶に深く刻んでいく。
昨日でコーロ・リエートが活動に終止符を打ちました。なんやかんやで18年間の活動でした。
留学から帰って半年後の(当時は)若くて未熟だった私と一緒にいろんな音楽の旅をしてくれました。
しかしコロナ禍を契機とした団員の減少を食い止めることができませんでした。
合唱指揮者は合唱団と深い付き合いになることが多いので、さみしい想いももちろんあります。
しかし、合唱団はなくなっても、それぞれの人生は続きますね。
私はずっと音楽行きのバスを運転していると思うので(笑)、またいつかご一緒できたら素敵です。
何はともあれ、皆様のご多幸を願います。






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