見えないものを信じる

まだ魂がハンガリー浮遊中のヤギです。こんにちは☆

帰国して24時間以上経過しましたが、土曜日夜の修了演奏会の音が、頭から離れません。

本当に素晴らしい体験満載のハンガリー滞在でした。

病気により引退したアンドラーシュ先生に代わって、講師に加わったドイツのフォルカ先生が、またよくて☆

ピーター先生が芸術監督になったからか、システムも大きく変わって、より理解が深まるレッスンの連続であり、また、パフォーマーとしての経験を確実に積める内容だったと思います。

今回は例年に増して、受講する指揮者のレベルも高かったような。

ワタクシ、いつも、自分を大きく見せようとして、肩に力が入ることが多かったので。

今回は、等身大でいることを心がけていました。要は、「無理をしない」と(笑)。

もちろん事前に勉強はしましたが、わからないこと多々でも、恥じずに行こう、わからないことをわかるためにわざわざお金と時間をかけて出かけるのだ!と開き直っていました。

コースが始まってすぐ、「Wish List」なるものが出回りました。

修了演奏会で振りたい曲をシューベルト・ミサ、デュランテ・マニフィカートの中から各2曲ずつ書いて先生に提出する、というもの。

ワタクシ去年、フェレンツ・ファルカシュのミサのCredo(オルガン伴奏)がワークショップ後半のメインになって、あまりオケとご一緒できなかったのです。演奏会ではモツレクのSanctusも振りましたが、ソロイストとの合わせも経験したかった。。。

という、昨年の心残りと、今年のテーマ「無理しない」を十分に検討して、計4曲をリストアップしたのですが。

先生方は何をどう考えたのか、私にはリストに挙げなかった曲をあてがってくださいました(笑)。

最初、今の私の手におえるかな、と思ったのが正直なところです。

でも、演奏も指導も経験豊富な先生方が決めたことですので、喜んで向き合うことにしました。

色々悩ましい曲でした。

ぎりぎりまで、どう振るかに照準があってしまって、苦しかった。

そんな私の悩みを払しょくしたのは。

病気によるリタイアだと聞いて「もう一生会えないのかな」と思っていた、アンドラーシュ先生と奥様との再会。

修了演奏会前日午後の、公開リハ直前の練習のことです。

私の番を待っていると、アンドラーシュ先生が歩み寄ってきて、力強くハグしてくれました。

もうね、言葉が、出なくて。涙が出そうになるのをこらえるのに必死でした。

心から、私たちをめぐり合わせてくれた(得体のしれない)大きな力に感謝をしたのです。

涙が出そうなほどの感情の高まりを、鎮めることができないまま、オケと合唱の前に立ちました。

私の曲は、Gloriaの中の「あなた(神)に感謝を捧げます」というくだり。

感謝を捧げる美しいソロイストの旋律と、神を声高に讃える(呼ぶ)力強い合唱が交錯するセクション。

あの時、やっと、意味がわかったんです。

そこからはもう、悩みはなくなりました。肩の力も抜けました。

感じるままに、指揮で表現すればよかったのです。

公開リハの後、フォルカ先生は、私の腕を強く掴んで、「ワンダフル!ワンダフル!」と言ってくださり。

今後の仕事(私の進むべき方向)についても、たくさん嬉しいことを言ってくださいました。

で。翌日の修了演奏会のリハでは、私の時間はほとんど取ってもらえませんでした(苦笑)。

でも、修了演奏会もうまくいったんじゃないかな~、と思います。

いただいた賛辞は、自分だけの宝物☆

今回の経験で、一回り自分の「等身大」が大きくなった気がします。

それにしても。

指導される先生方の、生徒を信じるパワーがすごいな、と思いました。

中には、「これは本番止まるのでは…?」と思うような指揮をする生徒さんも(二人ほど)いたのですが。本番は、すべてにおいてうまくいったのですよね。

もちろん、複数の指揮者に対応するオケと合唱団の集中力も素晴らしかったです。

でもやっぱり、先生方の「やらせてみよう」という勇気がすごい、と思うんです。

「今できるか」で評価せず、未来を見通して「きっとできるようになる」と信じているからこそ、なんですよね。

おかげさまで、受講生は皆、成長ができたんだろうと思います。

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