ウォーミングアップ

たまにはこんな話も。

合唱でしている練習には一つ一つに意味があります。

気が向いたのでその一部を少しご紹介。

俗にいう発声練習は、「ウォーミングアップ」とも表現しているのですが。

体をほぐし、発声器官を温める作業に加え、耳と心を研ぎ澄ますための時間でもあります。

起こしているのは声だけではないよぅ、ということです。

メロディの美しさ、言葉の美しさを感じる心は皆さん豊かにお持ちです。

合唱にはそこに、声のハーモニーが加わる訳ですが、美しいハーモニーを実際に奏でるためには、洗練された耳が大いに役に立ちます。

聴くこと、歌うことが同時になされたい訳です。

それらを同時に温める時間が、ウォーミングアップ。

ウォーミングアップには大体10分から20分かけます。

(ハーモニーの練習もしながら曲になだれ込んでいくので、現実には明確な区切りはありませんが…)

軽~く体をほぐし、呼吸など確認しながら発声をします。

発声の時、鍵盤を用いず、声の対旋律を入れるのは、正しい音程をご自身で判断できるようになるからです。

私達はもともとそういう耳を持っていますから、起こします。

発声の中で唱える「魔法の呪文(笑)」は、美しく響く母音とそれらを引き出すのに役立つ子音を用いています。

決してUFOを呼んでいる訳ではありません(笑)。

普段意識しない、声と言葉を発するための器官や筋肉を意識していく作業でもあります。

歌いやすい音域から、少しずつ広げていきます。

実際の楽曲の中で用いる最高音、最低音まで歌うのは、ハーモニーの練習を含め、ウォーミングアップの終盤です。

当日の皆さんの様子と私の気分次第☆で、実際の曲の中で達することもあります。

ウォーミングアップで用いる音の幅(音程、インターヴァル)は、楽譜を視唱し、ご自分以外のパートの音との関係(響き)を予想するのにも役立つものですから、階名で確認しあいます。それにより正しい音への進行、跳躍が可能です。

ちなみに。鍵盤楽器は練習時間全体の中でも、とっても補助的(限定的)に用いていて、

基本的には、人の声でメロディを知り、ハーモニーを組み立て、ご自身の耳でハモリが落ち着くポイントを見つけていただいています。

繰り返しになりますが、私たちは「もともと」そういう「耳」を持っています。

ウォーミングアップは、ソルフェージュの下準備でもあります。

コダーイコンセプト(理念)に基づいて、実際の合唱の現場に沿う方法を見つけるようにしています。

合唱団の長所を生かし、弱点をフォローできるようなウォーミングアップメニューを考えるのは、とてもやりがいのある充実した作業です(私自身もっと洗練していきたいところでもあります)。

歌は声が楽器ですから。

ハミングやヴォカリーズ(母音唱法)で奏でるハーモニーは、言葉の無い器楽アンサンブルのようなものですね。

だから、ウォーミングアップも、十分素敵な音楽になりうるのです。

毎回、歌いだしから刻々と変化する皆さんの声の響きを大変楽しく聴いています。

役得デス☆

(続く…かどうかは不明☆)

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